「脳トレ」としての武道/格闘技⑤

”最先端の総合武道”空道 大道塾 三鷹同好会/Team Tiger Hawk Tokyoの小野です。

観戦レポートとか書いているうちに、前回から間が空いてしまいました。

アクセス数を見ると、レポートのほうが多いので、そのほうがいいのかもと思いますが。(^_^;)

またしばしお付き合いお願いします。

武道/格闘技は、瞬間的に判断しないといけないバリエーションが多いことも、脳にいい刺激を与えるのではという話でした。

今回は「4.まったく同じ局面は2度とない」に触れますが、当たり前に、これはどんなスポーツ/競技にも当てはまります。

基本的に、人間でもほかの動物でも、脳は大まかには「いつも同じ」を好むことが知られています。

新しいものは、自分にとって「本当にこれでいいのかな?」という判断をしなくてはなりません。

それは、やはりストレスになるということです。

いきなり脱線しますが、ストレスを好む習性も、人間ならではなのかなと思います。

小野はジェットコースターもバンジージャンプも嫌いです。

いや。

大嫌いです(笑)。

お金を払ってする人たちの気持ちは、おそらく一生理解できないと思います。(^_^;)

ですが、普段やらないことをして、ストレスを意図的に与えることは、脳にとってもプラスになるところもあるようです。

身近な例で言えば、新しいランチのお店を開拓する、あるいはジョギングコースを変えてみるなどです。

普段と違う行動は、脳にストレスも与えますが、同時に「どのメニューを選ぼうか」「次にどっち曲がろうか」という判断を強制するので、いい刺激にもなりますよね

競技を考えると、その点はより強調されます。

練習でも試合でも、天候や場所、練習/試合の相手、ジャッジなどなど、同じ環境は二度とありません。

というわけで、どんなスポーツでも「新しい局面」は発生しますので、脳にとってはいい習慣でしょう。

同じコースを走るとか泳ぐとかでも、意識の持ちよう次第ではあります。

なので今回は、なんで格闘技がという話にするため、2つの切り口を考えてみます。

ちょっとつじつま合わせです。(^_^;)

直感

再戦

①から。

直感って、何かと言うと。

説明できないけどこれが答え」ということですよね。

武道/格闘技でもっとも解りやすい例で言えば、ふと出したパンチによるKO勝ちなどが想像されます。

寝技では、何手か先まで読んでアクションを起こすこともあるでしょうが、拮抗した展開の中では、相手の動きに合わせて起こした「ふとしたリアクション」が、結果として勝敗を決めてしまうこともあるのではないでしょうか。

自分の試合で(しかも下手な試合で)恐縮ですが、例として解りやすいので1試合リンクします。

1996大川vs 小野

1996年の大道塾 THE WARSⅢの第一試合に抜擢してもらったのですが(当時は大した実績もありませんでした)、結果として左ハイキックでKO勝ちを収めることができました。

余談ですが、相手の大川真人は後にNJKFでキックボクサーとして活躍しました。

タイトルマッチ、応援に行きました。

その階級はフェザーで、小野がキックをやるならスーパーライトくらいだったと思うので、勝因は体格差だなと、見返してみて思います。

当時は、大道塾では一応同じ階級ではありましたが。

試合展開は割と簡単ですね。(^_^;)

序盤は大川のスピードに翻弄されている小野が、左ミドルを効かせたのをきっかけにしてペースを取り返して、ミドルと同じタイミングでハイキックを蹴って倒しています。

大川はミドルだと判断して、すくいに来たので、直撃されているわけです。

興味深いのは、試合後のインタビューで小野自身が「練習してたコンビネーションがたまたま上手く入ってくれた」みたいな言い方をしていることです。

(すみません、上記リンクではインタビューは恥ずかしくてカットしてます (^_^;))

謙遜した覚えはありません。

率直に「狙ったのではなく、偶然」と思っていたから言ったのだろうと思います。

直感で蹴ったのでしょう。

いきなり話が飛びますが、田口ランディの書いた「モザイク」という小説に「ミミ、ふと思うこと。それはたいがい、正しい」というセリフが登場します。

ちなみに、主人公ミミの父は精神医学者、祖父は古武術家という設定なのも興味深いです。

初めて読んだときに「確かに答えって考え込んでるときより、ふと思いついたときに出るよな」と思ったのですが、後に脳科学者の池谷裕二先生も「直感はけっこう当たる」という意味の事を著書に書いていて、やっぱりなと思ったものです。

同じく池谷先生によれば(というか脳科学の研究論文によれば)、「直感」を司るのは、脳の中の「基底核」と呼ばれる部分であり、それは例えば「自転車に乗る」とか「はしを持つ」とか、あるいは単純に「歩く」といった無意識の身体動作をコントロールしているとのことです。

ざっくりまとめると、我々は、無意識のうちに集めた様々な情報を処理して、最適解を導き出すことができるわけです。

その処理過程は意識されないため、「直感」的な行動となるようです。

ふと思うことが正しい理由は、そこにあると思います。

そして、もっとも重要なことは「直感」は「訓練」により作られることです。

歩くのも、自転車に乗るのも、はしを持つのも、訓練したからできるようになったんですよね。

小野も、1996年当時には「右のカウンターを合わせて、ハイにつなぐ」を確かに練習していました。

右のカウンターだけでは、パンチ力のない小野ではクリーンヒットしても倒せない、審判にも評価されないと思ったからです。

ミドルと思って脚を取りに来た相手にハイを合わせる。

「ふと」正しい攻撃ができたのは、その訓練があったからなはずです。

「こんな展開の時、こういう動きをする」というのを意識して練習することは大事ですね。

全てのパターンは押さえられませんが、いざという時に、「ふと」した直感で、試合を自分のほうに傾けることができるかもしれません。

次回に続きます。

1. 自身の身体をコントロールする必要があり、

2. かつその身体操作のバリエーションがとても多く、

3. 対人であるため、瞬間的な判断力が求められるゲーム的要素もあり、

4. しかもまったく同じ局面は2度となく、  ←今回 ←次回

5. かつ、他者との協働が必要

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