”最先端の総合武道”空道 大道塾 三鷹同好会/Team Tiger Hawk Tokyoの小野です。
ちょっと日が経ってしまいました。
Battle of MuayThai
略してBOM。
タイトルは、世代的に菊池桃子あたりから本上まなみあたりを連想しますが(^_^;)。
日本のムエタイイベントです。
昨年、仙台の鷹虎ジム所属の阿部秀虎が出て、セコンドをしたこともありますし、肘や首相撲の制限が少ない「ムエタイ」を前面押しにしているプロモーションで、タイで経験を積んでいる若い選手が多いことから注目してます。
今回はクラウドファウンディングで資金を集めたところも含め、これからの格闘技興行のあり方にも一石を投じるのでは。
バンコクに先駆けて戻ってきたムエタイですが、何試合かピックアップします。
まずは第7試合。
名高・エイワスポーツジムこと、吉成名高。
タイ最軽量では、ほぼ無敵でした。
...あっさり書きましたが、すごいことです。
もっとも、そのクラスはタイでは駆け出しの若い子たちが中心ではありますが。
ラジャダムナンとルンピニーの両メジャースタジアムの統一王者になって、クラスを挙げてからは、タイでは思うような結果がまだ出ない中、これから勝負というところでCovid-19による中断だったわけで。
試合ができること自体、そして我々からすると日本で観られること自体、貴重なことです。
個人的には「ムエタイ」というくくりで評価するなら、日本人の双璧はカイト・ウォーワンチャイ(福田海斗)と名高ですね。
メインに登場したイッセイ・ウォーワンチャイ(石井一成)や大﨑 孔稀が後に続くかなと。
本来は山田 航暉さんも含まれると思っていましたが、惜しまれながら教員(社会人)の道を目指して引退しました。
対するのは、タイで売り出し中の新鋭、タクト・ウォーワンチャイこと和田拓飛。
名高19歳、拓飛16歳ということを忘れるくらいの試合になりましたね。
1R、いきなり突っかけていく拓飛を名高がいなします。
そして最初の名高の攻撃は左の膝蹴り、タイで言うテンカオでした。
これは凄いことです。
テンカオは、身長ではっきり優ってなければ、いきなり蹴るにはリスク高すぎだからです。
観る限り、体格は拓飛優位です。
しかも名高サウスポーに拓飛オーソなので、遠い間合いからミドルを蹴るのがセオリー。
「見切ってる」という感じがしました。
技術力の差についての自信とプライド、そして拓飛の前進にブレーキをかける意図もあったのではと思います。
その後もテンカオと左ミドルを次々とヒットさせて、拓飛の攻撃をことごとく空を切らせるディフェンス力を見せつけてと、試合は完全に名高が支配します。
下馬評通りでしょう。
小野もこのカードは早期決着を予想してました。
賭けのあるタイなら、実績差がありすぎて組まれないはずです。
しかしながら。
拓飛によって、この試合は最後まで目の離せないものとなりました。
体格的には拓飛が優位なことはありますが、テンカオもボディショットも何度ヒットしても、顔色を変えずにパンチを振るい返して前に出ます。
そしてその反撃を、ことごとく名高がはずす展開。
名高はタイのトップ選手ですから、日本人相手なら倒さないといけないプレッシャーもあったのでしょう。
ちょっとやりづらそうな表情もしていました。
後半はさすがに手が止まるシーンも多くなった拓飛ですが、カウンターで肘を狙ったりと、ギブアップする様子がまったく見られませんでした。
身体が頑丈なのと、ハートが強いことは、いいムエタイ選手の絶対条件ですね。
判定は圧勝で名高に上がりますが、拓飛すごいな、と。
名高の強さを知っているからこそ、そう思う試合でした。拓飛は、これからもタイで経験を積んでもらいたいです。
正直、予想をいい意味で裏切られましたし、出稼ぎのタイ人を呼んで名高のKO勝ちを観るよりも、ずっと価値のある試合でした(笑)。
ところで。
日本で独立したプロとして活動するようになると、タイで継続的に試合するのは損得レベルでは難しいのかもしれません。
タイで得られるファイトマネーは、日本より安いでしょうから、収支は合わないのではと、勝手に心配したり。(^_^;)
しかしながら、ひとまず日本のムエタイユースは育ってると思います。
親のサポート、ジムのサポートがあってのことでしょう。
これからも楽しみに観戦し、そして選手育成についても考えていきたいですね。
あ、他の試合も追ってアップします。(^_^;)