20210328 RISE147 ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021

”最先端の総合武道”空道 大道塾 三鷹同好会/Team Tiger Hawk Tokyoの小野です。

今回はRISEです。

準決勝① 3分3R延長1R

山本ユノカ vs. 大倉 萌

山本ユノカ vs 大倉 萌/Yunoka Yamamoto vs Moe Okura|2021.3.28【OFFICIAL】

大倉は大道塾吉祥寺支部の直系の後輩にあたりますが、ここ1年ほどは一緒に練習する機会がなく、当日もAbemaTV越しの応援となりました。

普段は「もえちゃん」とか呼んでますけど(道場生みんな同じ。愛されキャラ)、客観性を担保する風に「大倉」として書こうと思います。

大倉は前回のRISE以来の試合でした。

そうそうたるメンバーに囲まれての大抜擢参戦ながら、押し気味に試合を進め、結果としては実力を出し切れない惜敗に終わったのでした。

それでも、吉祥寺支部ならではのムエタイスタイルのティープ(前蹴り)やミドルキックなど、特に技術面では驚きとともに評価されていました。

その後決まりかけた試合が諸事情で流れています。

実は今回のトーナメント出場選手2人と、一度試合が決まってから、こちら都合で流れてしまった経緯があります。

その意味では、RISEから今回のオファーを頂けたことに感謝の意を示したいと思いますし、逆に言えば前戦の評価が高かったことの現れでもありますね。

対する山本ユノカ。

元WBA女子世界ライトミニマム王者、元OPBF女子東洋太平洋フライ級王者(RISE公式サイトより)です。

キックボクシングに転向してからも、持ち味のパンチテクニックに加え、積極的に蹴る姿勢も見せて距離感などアジャストできてるなと思っている選手です。

ただし、最近の試合をチェックすると、体格に劣りながらプレッシャーの強い紅絹相手には前に出られず、気持ちの弱さもある選手なのかなという印象でした。

1Rの立ち上がりは、小野の読みも割と当たっていたかと思います。

大倉の紹介では、ベンチプレス100Kg、ハーフデッドリフト300Kgといったフィジカル面の強みがよく言われますが、組みの攻防がないルールではそこまでの差は出しづらいのも事実です。

そして、向かい合った2人の対格は、むしろ山本のほうが優っていました。

にもかかわらず、大倉は積極的に前に出てローキック、ミドルキックとティープで圧をかけ、山本のパンチより速くカウンターを合わせる立ち上がりになりました。

対する山本は、大倉の蹴り技への「対応しきれなさ」と、それに対してのメンタルもついていけてない印象を持ったファーストラウンドです。

このまま大倉が押し切るかな、と希望まじりの感覚でしたね。

2R、小野の予想を超える展開が始まります。

大倉のローキックは、確かにダメージを与えていたはずです。

オーソドックス同士ですので、右で蹴るローは相手の左足に当たります。

つまりパンチを打つ際の軸足にヒットすることになり、パンチが得意な選手にとってはもらいたくない攻撃なのですが、山本は上手くカットできずに蹴られるシーンが目立ちます。

それでも山本は距離ではずすことはせず、むしろ前に出て得意のパンチをコンビネーションで振り始めます。

結果、ローの被弾も増えるのですが、表情を変えずに左フックをヒットさせ、大倉のバランスを崩すシーンも見られました。

脚のダメージと引き換えに、自分の持ち味で倒しにいくスタイルを選択したということです。

これはもう、単純に「覚悟」のなせる業だと感じました。

もともと山本の攻撃でもっとも危険なのは左パンチだということは、以前の試合でも判っていたことでした。

タイミングも角度も見えにくいだろうな、という打ち方です。

今回は、右のボディストレートからのコンビネーションで打つ左が特に良く、蹴りの伸びる大倉に対しては、打つ山本も勇気が要ったはずですが、その分の効果は充分にありました。

対する大倉もリーチで優る山本に対し、一歩も引かずに打ち返します。

ヒットの印象で山本が試合を引き戻したかなという展開で2R終了。

3R、山本は腹を括った顔でしたね。

相手と向き合った時、相手の目を見るかどうかは、選手によりますが、小野自身は現役時代から見ない派です。

見ない派の理由はさまざまあると思います。

小野の師匠である飯村健一先生は、「腹のあたりを中心にぼんやり全体を見ろ」と教えています。

そのほうが相手の動きを見極めやすく、目線のフェイント(脚を見ながらハイを蹴ったりとか)に引っかからずに済むと。

小野の場合は、それもあるのですが、単純に相手が怖いからです。

(^_^;)

目を見ちゃうと引き込まれる感じがするので、原則見ないのですね。

山本も似たような印象を(勝手ながら)受けました。

そしてこの最終R、顔を上げないままでより強く自分を鼓舞する意志を感じました。

やはり、ボクシングの世界王者から見ても、大倉の蹴り技の伸びや動きのスピードは恐怖を与えるのに充分だったのではないか、そして、それを乗り越えて決めた覚悟がぶれないように、弱い自分が出てこないように、ぐっと奥歯を嚙み締めたのではないかと思わせる表情で、観ているこちらも緊張するほどでした。

展開は、一進一退と言ってもいいのではないでしょうか。

前進したい山本の覚悟を、大倉のミドルキックや前蹴りが阻みます。

近づくと瞬間的な首相撲からのヒザを確実に入れるあたりは、大倉のRISEルールへの適応度が加速的に進んだことを示しています。

組んだらクリンチ扱いのK-1系、膠着するまではフリーなムエタイの両極と異なり、ワンアクションが認められるRISEは、むしろ組み際の作り方が難しく、逆に言えば「組み際処理が上手い」ことは、RISEルールではアドバンテージになります。

そこが上手いなと思うのは、今回のトーナメント出場選手の標的、「女帝」寺山日葵ですね。

そして山本。

やはりローのダメージは覚悟で何とかなるレベルではなくなってきたのかもしれません。

出足が鈍っていました。

遠間からミドルキックとローキックを織り交ぜて蹴る大倉の足技に、ブロックだけで精一杯に見えるシーンもありますが、それでも攻撃はよく見えていたと思います。

しかし、試合終了直前に山本のパンチ連打がタイミングよくヒットし、混戦模様のまま試合終了となります。

RISEルールであることを前提とした小野の印象としては、1R大倉、2R山本、3Rイーブンで延長もありうるかなと思いました。

が、だいたいRISEのジャッジは小野とは違う判断をします(笑)。

(^_^;)

3Rの付け方によっては大倉の負けもありうる内容だったので、かなりドキドキしながら(しかも家族中で)判定を聴いていました。

結果、2-0で大倉の勝利となりました。

選手同士は、ある意味納得かもしれませんね。

蹴られた山本は総合的なダメージはあったでしょうし、試合全体は大倉がコントロールした時間帯が多かったのは確かで、逆にパンチをもらっていた大倉は、身体の頑丈さからか「全然効いてない、まだまだ」と思っていたはずだからです。

本人には確認していません。

しかし、パンチをもらっていた大倉も、評価については不安があったのでしょう。

2人の判定時の表情が、全てを語っていると思いますので、小野から何か言っても余計なことでしょう(全部そうじゃないかとか言わないでくださいね(^_^;))

お互いの個性と意地や経験をぶつけ合った好勝負は、格闘技が「人間」の闘いであるという当然のことを思い出す内容でした。

本当は決勝まで一つで書こうと思っていたのですが、山本に感情移入したからか長くなりました。

(^_^;)

決勝は改めて書きます。

お読みいただきありがとうございました。

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