観戦レポート20200904 RISE142

”最先端の総合武道”空道 大道塾 三鷹同好会/Team Tiger Hawk Tokyoの小野です。

いろいろあってブログを更新してませんでした。

再開です。

新型コロナウイルス(Covid-19)の影響は、まだまだ社会全体に及んでいます。

何が正解か判らない状況で、個人も法人も警戒しながら手探りで対応しているところです。

そんな中、プロスポーツは徐々に、様子をみながら再開しつつあります。

日本の格闘技プロモーションでは、打撃系でK-1と並び勢いのある ”RISE”。

今回の注目カードを自分勝手に選んだので、レポートしてみます。

名古屋OISHI GYMの大﨑兄弟の2試合です。

第6試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R

奥脇一哉 vs. 大﨑孔稀(こうき)

正直、カード発表時にはこう思いました。

  • この二人ならムエタイルールで観たい!
  • 今の2人の実力差はありすぎるんじゃないの?

奥脇は、横浜のムエタイ名門、孔稀は名古屋のムエタイ名門ジム所属で、それぞれジュニア時代からタイでの試合経験を積んで強くなってきた選手です。

奥脇は、弟がタイでベルトを獲ったりしてる中、ここのところ負けが込んでいる印象もあります。

一方の孔稀。

兄の一貴も同日タイトルマッチを控えてます。

本人はJ-NETで無敵の活躍を経て、KNOCKOUT、ジャパンキックでの活躍からRISE参戦となりました。

個人的に好きな選手ですが、勝負所でのハートの弱さを感じることもあり、今回はどうかな? と思ってました。

この試合、勝負の残酷さを感じさせる結果になりました。

1R。

お互いにローを蹴り合います。

ダメージとかは当事者しか判りませんが、孔稀のローの音が良かったですね。

そのあと、奥脇の首相撲(というかクリンチ)にいったとき、やはり実力差が大きいのかなと感じました。

孔稀は、なんというか、ちょっとめんどくさそうに、軽く投げたんですよね。

首相撲を知らない人に組みつかれたから振りほどいたんだよ、みたいに。

実際には、奥脇はRISEを主戦場としているとは言え、首相撲を知らないわけはないのですが、組み方が雑だったように見えました。

RISEでは首相撲の攻防はありませんが、組むこと自体は禁止されてませんし、組んでからひとつ攻撃を入れることは認められています。

組みの使い方は、RISEルールのひとつの肝になるかなと個人的には思ってます。

この試合では、孔稀のプレッシャーに対抗するためか、奥脇から組んでしまうシーンは何度かありましたね。

戦略的に組みを使うのではなく、否応なく組まされてしまうような。

そして、ラストは右ハイキック一発で孔稀のKO勝ち。

ロー主体で攻めていましたが、奥脇の動きをよく見て蹴ったと思います。

奥脇は、ミドルかローと判断したのか、カウンターを打ちにいったのですが、手が下がっていたのとタイミングが合わなかったのもあり、ジャストで頭を蹴られてます。

実力差は、小野が思った以上にあったのかもしれません。

大﨑孔稀のポテンシャルは、この試合では判りません。

首相撲と試合の駆け引きを考えると、個人的にはタイでも闘ってほしい孔稀ですが、国内で闘うにしても、これからが楽しみです。

第8試合 RISEスーパーフライ級(-53kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R

田丸 辰(とき) vs.大﨑一貴

田丸は「天才」と称される18歳で、確かにその動きや目の良さは天才的です。

一方の一貴、もう3年くらい前でしょうか、軽量級離れしたパンチ力でタイで8連続KO勝ちを収め、タイトルマッチも経験しています(もちろん、トップ選手相手の連勝ではなかったので、タイトル戦には批判もあったようですが)。

その後、KNOCKOUTでもフライ級トーナメント2位になるなどの活躍を経て、孔稀同様にRISEへ。

1R、一貴のプレスに対して、サウスポーの田丸は高めの左ミドルキックと、前手のフックで対抗します。

腕の高いところを狙うのは、前進を止める目的でしょうし、それでも距離を詰めてくれば右に(つまり一貴の背中側に)回りながら右フックを引っかけるプランだったと思います。

しかし、一貴が良かったのは、高めの右ミドルキックを蹴り返してプレッシャーを与え、逃げ場を奪ってからパンチで詰めたところでしょう。

上背に勝る田丸よりも、一貴のミドルのほうが長く延びて空間支配を優位にしました。

2Rの中盤には、田丸の右フックの引っかけをブロックしての、右アッパーから前手の左フックで、一貴がダウンを奪います。

このシーンで一貴が上手かったのは、立ち位置ではないでしょうか。

田丸は本当は右に身体を逃がしながら右フックを引っかけたいのでは、と前述しました。

それをさせないように、ロープ際に詰めた時に田丸の左(つまり回り込みたい側)から攻撃することで、一貴の左フックは死角からクリーンヒットしています。

3R、田丸が持ち味の上下の打ち分け(蹴り分け)のコンビネーションも見せ、距離感もよくつかんで追撃させずにしのいだかたちとなりました。

4R、3Rと似たような展開ながら、一貴の細かい引き出しが光りました。

右のインローですね。

田丸の軸足である右脚に再三インローをヒットさせますが、派手な音がする内ももだけでなく、ふくらはぎから足首くらいの低いところをすくう蹴り方で、蹴りの相打ちでは転倒させ、パンチにはバランスを崩させ、と蹴られている田丸からするとイヤな攻撃になっていたと思います。

地味なところではあり、テレビ越しには伝わりづらい部分かもしれませんが、タイではとてもスタンダードな技術ですし、一貴が単純なハードパンチャーではないことを示す引き出しです。

5R、田丸は残念な選択をしてしまいました。

ダウンしている以上、負けているという認識はあったはずですが、足を使い、まっすぐのジャブを連続します。

ジャブそのものは素晴らしいキレと精度でしたが、これは勝っている選手の闘い方なはずです。

カウンター狙いかもしれませんが、勝っている側がリスクを犯して前に出てくるとは限りません。

逆に、一貴はインローに加え、再び高めの右ミドルでプレッシャーをかけてパンチの連打で何度か田丸を亀状態に追い込みます。

ムエタイ的な発想では、5R後半は攻め込まずに「はずして」もいいのにと思うくらいの差はついていたはずですが、一貴は攻め手を緩めずに試合終了。

3-0で一貴が新チャンピオンになりました。

田丸は確かに天才かもしれません。

しかし完成されているわけでもありません。

にもかかわらず、長所を伸ばす方式だけで練習してなかったかなと、勝手な想像をしてしまいました。

また、最終Rの特に前半で積極的に倒しに行かなかったのは、セコンドも含めて完全にミステイクです。

勝手なことを言っている小野も、現役時代には、負けている展開で詰め切れなかった敗戦もあります。

だからこそ、現役で闘っている、才能ある選手には、自身がリングに立っている意味をよく考えて覚悟を持ってほしいと思います

一貴については、技術的なところは既に述べた通りですが、補足的に2つ。

試合後のコメントで、田丸は目がいいからパンチは見切られる、それでも詰めてボディーやローを狙う作戦だったことを明かしています。

結果は、先にパンチが当たって倒せたことで、いい意味でプランと違ったわけですが、自身の攻撃が「当たらない」前提で、その次を考えていたのはさすがと思いました。

後だしじゃんけんなら簡単に言えても、試合前に上手くいかないことを前提としたプランを立てて練習するのって、実際には難しいですよ。

また、試合開始直前、一貴の首からお守りのネックレス(タイの寺院のプラクルアン)が外されました。

そこには、日本の神社のものと思われるお守りも複数ぶら下がっていました。

宗教的にどうかとかいいたいわけではありません。(^_^;)

愛されている選手なんだなと思ったということです。

きっと多くの仲間たちや応援してくれる方々、家族たちを大切にしているのでしょう。

だからみんな応援する。

その好循環を持っている選手やジムは、強いです。

これは経験的に間違いありません。

優れた技術より、良好な環境より、選手の才能より、人同士のつながりの強さ、信頼関係こそ、何物にも代えがたい財産です。

このあたりは来週更新予定のブログで詳しく書こうと思ってたので、宣伝も兼ねて書いときます(笑)。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

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